今回は、2026年8月にCTOに就任した徳永さんにインタビューしました。

徳永さんは約1年前にも、Flutterチームのエンジニアとしてこのストーリーに登場しています。今回は、前回のインタビューから何があったのか、そしてCTOとしてこれからのジャンボの開発組織をどう考えているのかを聞いていきます。後半では前CTOで現CPOの花野さんにも加わってもらい、抜擢の裏側と徳永さんへの期待を語ってもらいました!

プロフィール

徳永 悠(執行役員 / CTO)

新卒でエネルギー商社に入社し、営業やバックオフィスを担当。
その後、SES企業でエンジニアにキャリアチェンジ。
ジャンボに入社し、Flutterエンジニアとして新規アプリ開発を担当。
インフラチームへ異動し、複数アプリを支える基盤を担当。 2026年4月にテックリード、同年8月にCTOへ就任。


本日はよろしくお願いします!前回のインタビューは1年前でした。
あの時点で、1年後にCTOになっている未来は想像していましたか?

徳永:全く想像していなかったです。テックリードになった時もCTOになった時も、自分ではあまり自覚がなくて、周りの人に教えてもらって「あ、そうなんだ」となる感じでした。

前回の記事から今までの流れを整理すると、Flutterチームにいた徳永さんがインフラチームへ移り、今年4月にテックリード、8月にCTOになっています。この1年を振り返ると、どんな1年でしたか?

徳永:見ている範囲が、どんどん広がった1年でした。

Flutterで新規事業のアプリを作っていた時は、自分の書いたコードがどう動いているのか、土台のところがよく分かっていなかったんです。ジャンボは複数のアプリを同じ基盤の上で動かしているので、インフラを理解することがプロダクト全体を理解することにつながる。そう思って相談したら、すぐにやらせてもらえました。実際に触って、壊して、直すの繰り返しで、分からないことはAIに聞きながら進めていましたね。

テックリードになってからは、見る対象がシステムから人に変わりました。自分で手を動かしたほうが速いことはたくさんあるんですが、それをやり続けると組織が大きくならない。だから課題を見つけたら基本はメンバーに任せて、自分はレビュアーに回るようにしました。

CTOの打診を受けた時の率直な気持ちは?

徳永:正直に言うと「重たいな」でした(笑)会議室に行ったら代表の花田さんと花野さんがいて、「どう?」と聞かれて、すぐには返事ができなかったです。

ただ、二つの気持ちがあって受けることにしました。一つは好奇心です。テックリードとしてセクションを見るのと、会社全体の開発組織を見るのとでは景色が全然違うはずで、それを見てみたかった。

もう一つは、お世話になった分を返したいという気持ちです。入社した時の自分はGitも分からない、実務経験もない状態でした。そこからプロダクト開発、インフラと、やりたいと言ったことを全部やらせてもらって、気づいたら一通り経験している。未経験の自分にここまで任せてくれた会社と、その過程で相談に乗ってくれた人、教えてくれた人に、何も返せないまま辞めるのが一番嫌だなと思ったんです。それなら引き受けようと。

前CTOの花野さんはCPOになりました。役割はどう分けているんですか?

徳永:明確に線を引いているわけではなくて、花野さんがそれまで担っていた技術側の仕事を自分が引き継ぎ、花野さんがプロダクトとビジネスに集中できるようにした、という形です。

具体的には、インフラの方針を決めること、新しい技術を入れるかどうかの判断、エンジニアの配置や1on1、採用の面接、それからアカウント管理やオフボーディングのような運用面も含みます。CTOだからといって特別なことをしているわけではなく、開発組織が止まらずに前に進むための土台を全部見ている、という感覚です。

CTOになって、テックリードの時と一番変わったことは何ですか?

徳永:見る範囲が開発組織から会社全体になったことですね。CTOになってから自分が一番時間を使っているのは、技術そのものよりも人を見る仕事です。

テックリードの時からメンバーの育成をずっと見ていますが、育成で大事にしていることは何ですか?

徳永:育成しようとは思っていないんです。「人は勝手に育つ」とよく言うじゃないですか。本当にそうだと思っていて、本人はみんな成長したいと思っているんです。だから自分の仕事は、それを邪魔しているものを取り除くことだけだと考えています。

邪魔しているものというのは、たとえば今の仕事に飽きているとか、本人の中にモヤモヤがあるとか、組織の構造的な問題とか。1on1で話を聞いて、本人の中にあるものは一緒に解消するし、組織の問題ならチーム編成を変えてみる。それを繰り返せば、人は勝手に伸びていきます。

最近、徳永さんが外部のカンファレンスやセミナーで他社のエンジニアと交流している様子をよく見かけます。その経験を踏まえて、ジャンボのエンジニア組織はどう見えますか?

徳永:率直に言って、すごくいい組織だと思っています。AIがこれだけ進んだ今、「コードを書くこと」だけに特化した人は代替されやすい。でも、ユーザーと事業を理解した上で技術を使える人は、簡単には代替されません。

Jamboのエンジニアは、開発もするし、マーケもするし、広告運用やクリエイティブ制作まで関わります。だから自分の実装がどんな効果を生んだのかを、数字と肌感の両方で理解できる。その上で開発すると、「ここまでのアーキテクチャは今は不要だな」「ここはスピードを優先してユーザーに早く届けよう」というトレードオフを自分で判断できるんです。


ここからは、前CTOで現CPOの花野さんにも加わっていただきました!

花野さん、なぜテックリードだった徳永さんをCTOに抜擢したのか、聞かせてください!

花野:きっかけは、自分の肩書きと実態のずれです。CTOという肩書きでしたが、実務はほとんどビジネス側をやっていて、その状態が続いていました。だから後任を探していたんです。そこにちょうど、テックリードとして勢いのある人が出てきた。テックリードという箱が本人に対して小さくなってきている感じもあったので、任せようと決めました。

徳永さんなら任せられる、と思った理由はなんですか?

花野:本人は毎回「面倒くさいことを持ってこないでください」とか言うんですけど(笑)やったらやったで最後までやり切るし、ちゃんと熱量を注いでくれる。テックリードの時にそれを見ていたので、一定の信頼がありました。

CTOになって3ヶ月ほど経ちました。様子を見ていてどうですか?

花野:期待以上ですね。技術面はもちろんですが、特にいいなと思うのは、エンジニアの組織面を合理的に進めていくところです。自分はそこにあまり向いていなくて、熱量を注げなかった。徳永さんはビジネス側の動きも理解した上で、組織の内側に熱を注いで、実際に改革を起こしている。

具体的には、実態に合わせた配置換えもそうですし、セクションを横断した1on1もそうです。うまくいっていないメンバーにちゃんと声をかけて立て直す、ということを個別レベルでやってくれているので、この3ヶ月でエンジニア組織の空気が目に見えて変わりました。自分はどうしても評価する側なので、メンバーが本音を言いにくい。徳永さんが第三者の視点で見てくれることで、組織の問題が自分に届く前に解消されている感覚があります。

もう一つ大きいのが、AIの広げ方です。エンジニアの中だけでAIを使っていても、会社全体の生産性は上がらない。徳永さんはマーケターやHRのチームにまで入っていって、AIの使い方やデータの見方を教えている。エンジニアが「開発する人」から「会社全体をAIで強くする人」に変わり始めているのは、徳永さんがCTOになってからです。おかげで自分はプロダクトとビジネスに集中できていますし、ビジネス側から見てもすごく助かっています。

徳永さんから見て、花野さんがCPOに専念するようになってどうですか?

徳永:全然違います。やっぱり組織が締まりますね。若いメンバーが多い組織なので、花野さんは会社に必要だからこそ、あえて厳しい側面を出しているんだと思います。それをやると誤解されたり怖がられたりして孤独なんですが、やり続けていてすごいなと感じますし尊敬しています。

だから、そこからこぼれそうになる人を自分が拾う。花野さんは評価を決める立場なので、面談される側も身構えるじゃないですか。でも自分は「評価はしないから」と構造上言えるので、本音を聞きやすい。保健室の定期検診みたいな役割ですね(笑)

三権分立みたいですね!お互いのことはどんな人だと思っていますか?

花野:徳永さんはロマンチストです。正しいかどうかよりも、かっこいいかどうかで動いているところがある。意思決定もやり方も「面白いか」「かっこいいか」で選んでいて、漫画の主人公みたいな生き方をしているし、したいんだと思います。自分はどちらかというと、かっこよさは関係なく勝てるかどうかで動くので、その違いが面白いですね。

最後に花野さんから、徳永さんに今後どうなってほしいですか?

花野:現状のまま突き進んでほしいですし、多分もっと面白い世界がいっぱいあると思うんです。エンジニア組織の中だけじゃなく、ビジネス側でもHRでも、どこでもいいからもっと大胆にやってほしい。意外と気を遣って抑えるところがあるので、自分の色をもっと前面に出していい。今のセクションに収まらずに、うざいくらいこっち側にも来てほしいですね。

徳永さんは採用の最終面接にも出ています。どんな人に来てほしいですか?

徳永:技術力はもちろんあるに越したことはないですが、入社時点の技術力はそこまで重視していません。自分自身がGitも分からない状態から入っていますし、ジャンボには未経験からエンジニアになった人がたくさんいます。それよりも、自分で決めて、失敗して、そこから何かを学んで、次は頑張ろうとなれるかを見ています。そういう人はそのサイクルをずっと回せるので、どこまでも伸びていきます。

逆に、誰かに決められたことをやるだけだと、うまくいかなかった時にその人のせいにできてしまい、それだと成長が止まると感じています。ジャンボではみんなが自分で考えて勝手に実装しているので、その横で「私は何をすればいいですか?」と待っている状態だと、本人がつらいと思います。その場合は、仕様がきちんと決まっている環境の方が向いているかもしれません。

最後に、これを読んでいるエンジニアへメッセージをお願いします!

徳永:自分の人生を生きている人は、かっこいいなと思います。キャリアや年収に縛られて平坦になるより、好きなことに熱狂している人。以前ニューヨークに行った時、タップダンスが好きだからという理由で、路上で踊っている人に会いました。もっと合理的に稼げる道があるのに、自分の熱量を優先してその道を選んでいる。その姿が本当にかっこよかった。

ジャンボは、そういう人が全力で挑戦できる場所です。まだ自分の仕事に手応えを感じられていないエンジニアの方、技術だけでなくプロダクトや事業まで見てみたい方は、ぜひ一度話を聞きに来てください。

徳永さん、花野さんありがとうございました!

▼前回の徳永さんへのインタビュー記事はこちら
“これをやっちゃいけない”がない会社。Flutterチーム対談インタビュー